NUC工法とは
都市トンネルにおける大中口径推進工事は、近年ますます長距離化、急曲線化、そして高速化し、推進施工技術も進化してまいりました。
							
							しかしながら、増大する推進抵抗力を抑えることができずに、長距離推進施工を困難にしていました。
							
							また、曲線推進施工においても、計画路線上から逸脱したり、推進管の端部を破損したりと推進不能に陥るなどの問題がありました。
							
							これらの問題点をすべて解決した工法が「NUC工法」です。
							
							・多段方向制御方式
							・開口調整装置(UCS)
							・NUC推力低減システム-DS方式(NUCS)
							
							他オプションシステムなどを採用することにより、低推力で高精度な長距離急曲線施工を可能にしました。
							
 
						- 急曲線
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									急曲線造成および方向制御システムの確立UCS(急曲線用開口調整装置)を使用することによって、複合急曲線の推進を容易かつ確実な施工を実現しました。 
- 長距離
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									低推力の実現NUCS(NUC推力低減システム-DS方式)の採用により、低推力を実現しました。従来の推進距離を大幅に更新し、曲線部を含めての長距離推進施工を可能にしました。 
- 低コスト
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									高速化および低コストの実現自動計測を含むトータル・コントロールシステムの確立により高速化を実現しました。従って、長距離推進化が可能となり、安全かつ低コストとなります。 
急曲線推進用 開口調整装置(UCS)
概要
NUC工法では、急曲線施工において開口調整装置(UCS)を使用することによって、掘進機と後続管列を計画曲線軌道に正確かつ容易に誘導することができます。UCSは、開口差を自在に調整することが可能であるため、Sカーブなどの複合曲線への対応が容易にできる利点があります。
							
							さらに、曲線の外側に振れようとする推進管の挙動が極めて少ないため、振り出し防止用の地盤改良を必要としない経済的なシステムです。
							
 
						特長
掘進機の操作性を向上させる。
								掘進機後続への開口調整装置を複数基設置することにより掘進機の操作性が向上し、急曲線造成が正確かつ容易に施工できます。
								
								管列計画線の外側への振り出しがありません。
								曲線管列に働く回転モーメントが極めて小さくなるため、外側へ振り出すなどの問題がありません。そのため、曲線外側の地盤改良は不要です。
								
								高精度の複合曲線施工が可能です。
								開口調整装置(UCS)は、左右上下に自在かつ正確に調整可能なため、高精度な複合急曲線施工を可能とします。
								
								推進管用ヒューム管端面の損傷がありません。
								管継手部に設置する開口調整装置(UCS)の推力分散機能により、管端面の損傷がありません。
								
							
| 呼び径 / 推進管 | E型 | |||
|---|---|---|---|---|
| L=2,13m | L=1,20m | L=0,80m | L=0,60m | |
| 800 | 31 | 19 | 14 | 12 | 
| 900 | 35 | 22 | 16 | 13 | 
| 1,000 | 38 | 24 | 18 | 15 | 
| 1,100 | 42 | 26 | 19 | 16 | 
| 1,200 | 46 | 28 | 21 | 17 | 
| 1,350 | 51 | 32 | 24 | 19 | 
| 1,500 | 57 | 36 | 26 | 22 | 
| 1,650 | 63 | 39 | 29 | 24 | 
| 1,800 | 68 | 42 | 31 | 26 | 
| 2,000 | 75 | 47 | 35 | 28 | 
| 2,200 | 83 | 51 | 38 | 31 | 
| 2,400 | 90 | 56 | 41 | 34 | 
| 2,600 | 98 | 60 | 48 | 40 | 
| 2,800 | 105 | 65 | 48 | 40 | 
| 3,000 | 112 | 69 | 51 | 42 | 
| 呼び径倍数 | 38・D | 24・D | 18・D | 15・D | 
※1 E型ヒューム管:埋込みカラー型管
							※2 短尺管の使用に当たっては、計画条件にあわせて管材・管種を検討する必要があります。
							※3 上記数値以下の曲線半径については別途検討します。
							※4 L=0.40m管については別途NUC工法用管の作成が一部必要です。
長距離推進用 NUC推力低減システム(NUCS)
概要
長距離急曲線推進工法においては、推進力をできる限り小さく推移させることが必要です。
このためには、推進管外周に良質な滑材層が完全に形成されていることが大切な条件となります。
NUCS(NUC推力低減システム)は、DS方式によりテールボイド全体を不透水性の滑材層で充填し、推力低減効果を持続します。
							したがって、長距離急曲線推進の施工を、安全確実に進めることができます。
 
						特長
・推進管の外周にDS方式により滑材層を形成します。このために、長期間にわたり推進管外周の地山を保護します。
							・テールボイドに滑材が充填された状態を持続します。したがって、推力の低減効果が大きく発揮されます。
							・推進管の外周が適度に固化されるので、急曲線推進工法も容易です。
注入材の性状
 
							ナックスG
推進にともなって発生するボイドを充填するゲル化滑材「ナックスG」は、推進管外周地山を適度な強度で維持するため、長時間地山を保護する働きを有しています。また、流動性に富み、長距離圧送が可能である。
 
							ナックスN
長距離急曲線推進用に開発された一液型高粘性滑材「ナックスN」は、あらゆる地盤に対応でき、しかも耐久性に優れているため、ボイドが確保され推力低減効果が大きい。
自動測量システム
概要
各基準点に配置された自動追尾式トータルステーションで、互いの位置を自動計測し、それらのデータをパソコンで演算することで機械位置の座標を正確に、短時間で算出し、算出された掘進機位置と計画位置とのズレを表示し、正確な推進管理を行います。
 
						 
				 
				